頚椎の機能解剖
頭の骨(後頭骨)の下に、首の骨(頚椎:Cervical vertebrae)は7個あります。
後頭骨(occiput)を0番として頚椎の1番,2番のように呼んでおります。
頚椎の1番(atlas)と頚椎の2番(axsis)は上位頚椎と称します。
頚椎の3番から7番には名称はなく、C3~C7と称します。
頚椎の特徴として下位頚椎に対し、上位頚椎の関節運動は機能が異なります。
主にうなずいたり(屈曲運動)、反らしたり(伸展運動)することはC0とC1が役割を担い、左右に傾ける運動や捻る運動(側屈・回旋運動)はC1とC2が担います。
中位頚椎(C3-C6)はほぼ関与せず「しなる」ことがほとんどです。
下位頚椎(C7-T3)は頭を支える土台のような役割をしております。
※T:Thoracic vertebrae=胸椎、胸の背骨の事です。
簡単にまとめると
上位頚椎:頭・首を動かす事が役割
中位頚椎:上位頚椎に連動して動くことが役割
下位頚椎:上位→中位と連動した動きを支える役割
となります。
ではなぜ、首が悪くなると手のしびれが生じるのでしょうか?
👇に続きます。
胸郭出口症候群は、神経や血管が圧迫される部位によって3つに分類されます。
① 斜角筋症候群
首にある前斜角筋と中斜角筋の間で神経や血管が圧迫されるタイプです。
首や肩の痛み、腕や手のしびれが現れやすく、首の動きによって症状が変化することがあります。
② 肋鎖症候群
鎖骨と第1肋骨の間で神経や血管が圧迫されるタイプです。
重い荷物を持つ動作や胸を張る姿勢などで症状が誘発されやすく、
腕のだるさやしびれを伴うことがあります。
③ 小胸筋症候群(過外転症候群)
小胸筋の下で神経や血管が圧迫されるタイプです。
腕を上げる姿勢で症状が悪化しやすく、
洗濯物を干す動作やつり革を持つ姿勢などで
手のしびれや痛みが出現することがあります。
ただし、
実際の臨床では複数の部位で、
神経や血管に負担がかかっている場合もあり、
症状だけで圧迫部位を特定することは困難です。
そのため、姿勢や動作、圧痛、各種検査を組み合わせて、
総合的に評価することが重要です。
胸郭出口症候群は、
一つの原因だけで起こる疾患ではありません。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、
腕を繰り返し上げるスポーツや仕事、
なで肩や猫背などにより、
首・肩・胸まわりの筋肉や関節に負担がかかることで、
神経や血管の通り道が狭くなり発症することがあります。
また、
生まれつき肋骨の形状に特徴がある方(頚肋など)では、
神経や血管が圧迫されやすい場合もあります。
このように、
姿勢・動作・筋肉・骨格など複数の要因が重なることで、
神経や血管への圧迫や牽引が生じ、
手のしびれや痛みなどの症状につながると考えられています。
1.症状がデルマトーム通りかしびれや痛みが、
神経根の支配領域に沿って出ているかを確認します。
症状の出方を確認することで、頚椎由来の可能性があるかを評価します。
2.頚部の動きで症状が再現されるか首を動かした時に、
手のしびれや腕の痛みが再現されるかを確認します。
頚椎由来の症状では、首の動きによって症状が強くなったり、
再現されたりすることがあります。
3.末梢神経伸張テスト
腕へ向かう神経にストレスをかける検査を行います。
神経が過敏になっている場合や、神経の滑走性が低下している場合には、
しびれや痛みが再現されることがあります。
正中神経:手のひら側(親指から薬指の半分)
尺骨神経:手のひら側(小指から薬指の半分)
橈骨神経:手のこう側(親指から中指の半分)
をそれぞれチャックします。
また浅枝などさらに細分化することもあります。
4.TOSテスト複数
胸郭出口症候群に関係する複数の検査を行います。
腕の位置や首・肩の姿勢を変えながら、神経や血管への負担によって、
症状が再現されるかを確認します。
5.お試し施術
検査結果から症状に関係していると考えられる部位に対して、
お試し施術を行います。
実際に組織間の滑走性や圧迫の影響が変化することで、
症状に変化が出るかを互いに確認します。
症状の程度にもよりますが、軽度〜中等度の場合はその場で改善します、
6.複数の要因の特定
お試し施術後に症状が改善された場合、
・小胸筋の可能性が高い
・正中神経の可能性が高い
などの複数の要因を説明し、なぜ痛むのか・なぜ痺れているのかを
共有し、そのまま本格的な施術に移ります。
身体の個性や要因の組織によって、手技は異なるのですが、
・器具を用いた筋膜リリース
・指で行う組織間リリースなどを
行うことが多いです。
症状の程度によって施術後の残り時間は異なるのですが、
お時間が取れた場合は運動指導やセルフケア指導も行います。